第1回:ブラストチラーとは?フルーツ農家に広がる可能性

フルーツ農家が直面する課題
フルーツは鮮度が命です。収穫したその瞬間から劣化が始まり、糖度や酸味のバランス、香り、みずみずしさは時間とともに失われていきます。
特に近年は、フルーツを使ったスイーツや冷凍フルーツ、輸出向け需要が高まっており、「収穫から加工・流通まで、いかに高品質を維持できるか」 が農家にとって大きなテーマとなっています。
従来の冷凍庫では冷却に時間がかかり、細胞内に大きな氷結晶ができてしまうため、解凍時にドリップが出やすく、味や食感を損なってしまうという課題がありました。
ブラストチラーとは?
そこで注目されているのが ブラストチラー(急速冷却・凍結機) です。
ブラストチラーは、強力な冷気や特殊な技術を用いてフルーツを短時間で凍結させる装置で、従来の冷凍庫では実現できない「品質保持」を可能にします。
主な機能
- ブラストチル(急速冷却):+90℃から+3℃まで一気に冷却し、菌の繁殖を防ぐ
- ブラストフリーザー(急速冷凍):-18℃以下まで短時間で凍結し、鮮度を維持
- 複合型:冷却・冷凍の両機能を持ち、柔軟に対応
これにより、フルーツの色・香り・食感を保持しながら、長期保存や遠方への輸送が可能になります。
フルーツ農家での活用シーン
- 直売所や観光農園:余剰分を冷凍保存し、シーズンオフにも販売
- EC販売:冷凍フルーツとして全国発送し、新たな顧客を獲得
- 加工用:ピューレやジャム、スムージー原料として付加価値を高める
- 輸出:高品質冷凍フルーツを海外市場へ展開
特にフルーツは季節性が強いため、ブラストチラーによる急速冷凍は 収益の安定化・販路拡大 に直結する投資と言えます。
導入の投資効果
ブラストチラー導入によって、
- 廃棄ロスの削減
- 高単価商品の開発
- 年間を通じた販売機会の確保
- BtoBや輸出先との信頼性向上
といった効果が期待できます。
「旬のフルーツを、旬のまま一年中提供できる」ことは、消費者にとっても大きな魅力です。
投資を後押しする補助金
問題はコストですが、補助金を活用することで導入ハードルを大きく下げることが可能です。
例えば…
- ものづくり補助金:高機能なブラストチラー導入に適用、最大2/3補助
- 新事業進出補助金:冷凍フルーツを新規事業として展開する際に活用可能
導入目的に応じて最適な制度を組み合わせれば、数百万円〜数千万円規模の投資も現実的な選択肢となります。
リラボのサポート
リラボでは、フルーツ農家様向けに
- 機種比較・選定サポート
- HACCPを含む衛生管理体制の構築
- 補助金申請書類の作成・事業計画策定
までを一気通貫でご支援しています。
お問い合わせ先
Re・Lab コンサルティング 担当
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