海外輸出を視野に入れたHACCPの導入

海外輸出を視野に入れたHACCPの導入

近頃の原材料高や国産原料の天候不順による不作などに直面して、改めて事業の見直しや今後に向けた展開を考えている方も多いと思います。そんな今後を考えるうえで、「輸出」という選択肢はどうでしょうか?

食品製造業の輸出の意義と注意点

今後のリスク分散として「輸出」という手があります。今後人口減少でマーケットの小さくなる国内だけでは、内需の復活を待つのは時間がかかりそうです。そうしたなかで、消費の旺盛な国での外需を取り込むのは至極当然の流れといえます。しかし、輸出において困るのは

①言葉の壁
②ルールの壁

ではないでしょうか?今日は②のルールの壁を破る基本となる、「HACCPの導入」について説明したいと思います。

HACCPの導入が今後の輸出のカギになる!

HACCPの義務化が2020年6月(1年の猶予あり)に迫っている中、これをうまく導入できれば輸出への道が大きく開けていきます。 海外輸出を視野に入れたHACCPの導入について一緒に考えていきましょう!

HACCPと輸出。実は強い結びつきがあります。まずは、HACCPを導入することでどのような変化があるかということを確認し、それがなぜHACCPの導入が輸出拡大につながるのか説明していきます。

2018年6月に食品衛生法が改正され「HACCPに沿った衛生管理の制度化」が決まりました。2020年6月に施行され、事業者は1年以内に「HACCPに基づく衛生管理」あるいは簡略化した「HACCPの考え方を取り入れた衛生管理」を行わなければなりません。

諸外国でも導入が進められ、食品の衛生管理の国際標準となっているHACCPによる衛生管理について、日本においても制度として位置づけ、定着を図っていくことが必要という背景から、今回の義務化という流れになってきたのです。

世界に目を向けると、HACCPは既に食品衛生管理の国際基準として多くの国で義務化が進んでいます。海外に食品を輸出する場合、当然このHACCPに基づく管理ができているかどうかという事が見られます。

HACCPに基づく管理ができていることをきちんと説明できないと、取引を開始できないという事例も増えてきています。日本の食品は「安心・安全」を謳ってきましたが、そのことを根拠をもって示すことが今後ますます求められてきます。

人口減少などにより、日本国内のマーケットは縮小が見込まれる一方で、世界の食市場は、2009年の340兆円から20年には680兆円と倍増が予想され、特に中国を含むアジア全体では、約3倍の増加が見込まれています。

世界の市場ではHACCPに基づく管理が当たり前。世界の市場にチャレンジするためにも、HACCPは一つの大きなカギになります。

HACCPの義務化にどのように対応するか?

それでは、輸出拡大を見据えたHACCPの導入はどのように進めていくのが良いでしょうか?HACCPの認証と一口に言っても、FSSC、自治体HACCP、業界HACCP、JFSなどなど数多くの認証システムが存在しており、どれをやったらいいのか迷う方も多いかと思います。海外市場を目指すならJFS-Cがおすすめです!その理由を見ていきましょう。

JFS規格とは?

さっそく、JFS規格とはどのようなものなのか見ていきましょう。JFS規格とは、JFSM(一般財団法人食品安全マネジメント協会)が策定した食品安全マネジメントシステムに関する規格のことです。

欧米を中心とした世界の食品小売・製造事業者において、GFSI(世界食品安全イニシアティブ)承認規格による認証が取引条件となりつつある中で、中小事業者でも取り組みやすい日本発の規格・認証スキームを構築しようということでできたのがJFS規格です。

JFS規格は、2018年にGFSI承認を取得。今後JFS規格の海外での認知度がさらに高まっていくことで、日本の食品の輸出力が強化されることになります。JFSのメリットは以下の通りです。

輸出を検討される場合は、国際規格に準拠した認証を取っておくと、輸入審査時にスムーズな検疫ができることが予想されます。

海外市場を目指すならJFS-BからはじめてJFS-Cがおすすめ!

JFS規格には、A規格(JFS-A)、B規格(JFS-B)、C規格(JFS-C)にレベル分けされており、徐々にJFS-Cまでステップアップしていくことができる仕組みになっています。

つまり、段階的に国際標準の食品安全管理レベルまでステップアップしていくことができるため、海外輸出を視野に入れたHACCPの取り組みを進めやすい規格になっているのです。

まずはどの程度自分の工場ができているか確かめてみよう!

みなさんの工場がどこまでHACCPに対応をしているかを、一度診断してみませんか?

HACCP導入はプロにご相談を

HACCP導入に関してお悩みのことがありましたら、HACCPコーディネーターやJFS-A/B(E/Lセクター)監査員資格も持つコンサルタントがいるRe・Labへお気軽にご相談ください。HACCPだけでなく、経営全般にかかわるご相談もお受けできるのが特徴です。

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TEL : 050-1808-8090