第1回:フリーズドライ技術がもたらす6次産業化の可能性

農林水産業に携わる事業者にとって、「どうやって付加価値を高め、収益を安定化させるか」という課題は常に付きまといます。近年、解決策の一つとして注目されているのが フリーズドライ(真空凍結乾燥)技術 です。リラボでも多くの事業者様から「フリーズドライ機を使った商品開発」に関するご相談をいただくようになりました。
フリーズドライの強み
フリーズドライの最大の特長は、素材の栄養価や香り、色味をそのまま保持しながら、水分だけを取り除ける点にあります。これにより、
- 長期保存が可能(常温で数か月〜数年)
- 軽量化・輸送コスト削減
- 調理の簡便性(お湯を注ぐだけで再現)
といったメリットを得られます。
特に農林水産物は鮮度が命である一方、収穫・漁獲のタイミングで一気に出荷せざるを得ず、価格下落やフードロスに直結しやすい課題を抱えています。フリーズドライ加工は、こうした 「売り急がない仕組み」 をつくる強力な手段になり得ます。
6次産業化との親和性
「6次産業化」とは、生産(1次産業)+加工(2次産業)+販売(3次産業)を組み合わせ、新たな収益源を生み出す取り組みを指します。フリーズドライはまさにこの考え方と相性抜群です。
- 農産物であれば、規格外野菜や果実をフリーズドライにしてスープやお菓子へ。
- 水産物であれば、鮮魚をフリーズドライ加工して保存性の高いだしパックへ。
- 林産物であれば、きのこ類を乾燥させて健康食品や調味料へ。
一次産品が加工によって「常温で持ち運べる・付加価値が高い商品」へと生まれ変わることで、地域ブランドの形成や輸出ビジネスにもつながります。
市場トレンドと需要の広がり
フリーズドライ食品は、近年さまざまな分野で需要が拡大しています。
- 災害時の非常食・備蓄食
- 高齢化社会に対応した調理の簡便化需要
- 海外への輸出(軽量で品質保持がしやすい)
- 健康志向・無添加志向の商品開発
これらの流れは、農林水産事業者にとって大きなビジネスチャンスです。
補助金を活用した導入のチャンス
フリーズドライ機は高額な設備投資が必要ですが、国や自治体の補助金を活用することで導入を現実的に進めることができます。たとえば「ものづくり補助金」や「事業再構築補助金」では、新しい加工技術を活用した事業展開が評価されやすく、農林水産業の6次産業化はまさにその対象となります。
リラボでは、補助金申請から事業計画立案、実際の商品化まで一貫してサポートしています。第2回では、具体的なフリーズドライ商品の事例や商品開発の広がりをご紹介します。
👉 次回の記事では「実際の事例と商品開発の広がり」をテーマに、フリーズドライを活用した具体的な商品アイデアや市場での反応を掘り下げていきます。
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