レトルト食品製造の魅力と注意点|必要な設備・許可・施設要件まとめ

レトルト食品製造の魅力と注意点|必要な設備・許可・施設要件まとめ

近年、食品ロス削減や海外需要の拡大を背景に、レトルト食品市場が再び注目を集めています。
冷蔵・冷凍商品に比べ常温で長期保存できる利便性は、小売店やEC事業者にとって大きな魅力。特に、国内では小売現場の人手不足や店舗運営コストの高騰から、管理が容易で棚持ちの良い商品が好まれる傾向が強まっています。

また、越境ECの拡大により、日本食を海外へ販売する機会も増加中。温度管理不要で国際輸送のハードルが低いレトルト食品は、輸出においても高いポテンシャルを持っています。こうしたトレンドを背景に、レトルト食品は製造・流通の両面で今後も需要が見込まれる分野です。

レトルト食品製造の魅力

流通面のメリット

  • 常温流通が可能で、冷蔵・冷凍に比べ物流コストが低い
  • 長期保存(1〜2年程度)ができ、廃棄ロスが減る
  • 販路の広さ:スーパーの常温棚や通販にも対応
  • 輸出に有利:温度管理不要で海外輸送も容易

流通面のデメリット

  • 製造ロットが大きく、少量生産ではコスト高
  • 類似商品が多く、差別化にはパッケージや味の工夫が必須
  • 長期保存できても売れ残りは廃棄リスクあり

生産面のメリット

  • 大量生産によるコストダウンが可能
  • 幅広い原料(肉・魚・野菜・米・麺)が使える
  • 殺菌工程で品質が安定し、衛生面で安心
  • 年間を通して安定生産できる

生産面のデメリット

  • 初期投資が高額(殺菌釜・充填機など)
  • 加熱殺菌で風味や食感が変わりやすく、試作が必要
  • 専門知識を持つ技術者が必要
  • 許可や施設基準のハードルが高い

レトルト製造に必要な機械・設備

  1. 前処理機器(野菜洗浄機・皮むき機・カッター)
  2. 調理機器(スチームケトル・真空冷却機)
  3. 充填・包装機器(自動充填機・シール包装機)
  4. 殺菌機(レトルト殺菌釜・制御装置)
  5. 品質検査機器(金属検出機・X線検査機・pH計)
  6. その他(計量機・ラベル貼付機・保管倉庫)

製造に必要な許可・法的要件

  • 食品衛生法に基づく営業許可(「そうざい製造業」または「缶詰又はびん詰食品製造業」)
  • 食品衛生責任者の設置
  • HACCPに沿った衛生管理体制
  • 食品表示法に基づく成分表示・アレルゲン表示・期限表示

施設要件(主な基準)

  • 原料処理室・調理室・殺菌室・包装室の動線分離
  • 搬入口と出荷口の分離
  • 洗浄設備(手洗い・器具洗浄)
  • 防虫・防鼠対策
  • 清掃しやすい床・壁・天井
  • 保管室の温湿度管理

まとめ

レトルト食品製造は、フードロス削減・越境EC・人手不足対策などの社会的ニーズに応える、将来性の高い分野です。
初期投資や製造管理のハードルはあるものの、適切な設備と体制を整えれば、安定的な製造と販路拡大が可能になります。

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