レトルト食品の製造方法と包装種類、必要な機材、そして無菌状態になる原理

レトルト食品の製造方法と包装種類、必要な機材、そして無菌状態になる原理

レトルト食品は、高温高圧で殺菌処理を行い、常温で長期間保存できる加工食品です。
製造方法や包装形態、必要な機材にはさまざまな選択肢があり、さらにその殺菌原理を理解することで、安全で品質の高い商品を作ることができます。
この記事では、製造方法の種類包装形態の種類必要な機材、そして無菌状態になる原理までを詳しく解説します。

1. レトルト食品が無菌状態になる原理

レトルト食品は、密封容器に充填された食品を高温高圧で加熱殺菌することで、微生物の繁殖が不可能な状態にします。
特にターゲットとなるのは、ボツリヌス菌(Clostridium botulinum)などの耐熱性芽胞菌です。

殺菌条件の基準

  • 温度:約 121℃
  • 時間:約 4分(F値=4)が基準(食品や容器の種類により調整)
  • 圧力:加圧により水の沸点を上げ、121℃以上での加熱を可能にする

この条件で殺菌することで、芽胞菌を含む微生物を死滅または不活性化し、商業的無菌状態(Commercial Sterility)が達成されます。
商業的無菌状態とは、保存・流通中に有害微生物が繁殖できないレベルに制御された状態を指します。

無菌状態が維持される仕組み

  1. 容器の密封:外部からの再汚染を防ぐ
  2. 高温高圧殺菌:容器内の微生物を死滅
  3. 常温保管可能:冷蔵や冷凍の必要がない

2. レトルト食品の製造方法の種類

① アセプティック方式(無菌充填)

  • 内容物と容器を別々に殺菌し、無菌環境で充填
  • 液体や流動性食品向き
  • メリット:風味・色の保持が良い
  • デメリット:高額設備が必要

② インコンテナ方式

  • 容器に充填した状態で殺菌
  • パウチ、瓶詰、缶詰など多くのレトルト製品で採用
  • メリット:幅広い食品形態に対応
  • デメリット:加熱時間が長く風味変化が出やすい

3. 包装形態の種類と特徴

① レトルトパウチ

  • 軽量・破損しにくい・加熱効率が良い
  • カレー、ソース、スープに最適

② トレータイプ

  • グラタン、丼もの、惣菜セットに利用
  • 開封後そのまま食器として利用可

③ カップ・ボウルタイプ

  • 容器ごと電子レンジ加熱可能な製品もあり

④ 瓶詰・缶詰

  • 長期保存性に優れるが重量がある

4. 包装形態に応じた必要な機材

包装形態必要な主な機材
レトルトパウチ自動充填機、真空包装機、レトルト殺菌釜
トレータイプトレーシーラー、充填機、レトルト殺菌釜
カップ・ボウルタイプカップ充填機、シール機、殺菌釜
瓶詰・缶詰ボトル・缶充填機、巻締機、殺菌釜

5. 共通して必要な設備

  • 調理機器:スチームケトル、撹拌機
  • 殺菌設備:レトルト殺菌釜(静置式・回転式)、制御装置
  • 品質管理機器:金属検出機、X線異物検出機、pH計、水分活性計
  • 包装資材管理:クリーンルーム、資材保管庫

まとめ

レトルト食品の最大の特徴は、高温高圧殺菌により商業的無菌状態を作り出し、常温で長期間保存できることです。
製造方法や包装形態によって必要な機材や設備は異なるため、商品の特性や販売戦略に合わせた選択が重要です。

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