第2回:フリーズドライが切り拓く商品開発の広がり

第1回の記事では、フリーズドライ技術が6次産業化に大きな可能性をもたらすことをご紹介しました。今回はさらに踏み込み、 実際にどのような商品が生まれているのか、どのような事業展開ができるのか を具体的に見ていきましょう。
農産物の事例:規格外品を「魅力商品」に変える
野菜や果物は収穫の時期に一気に出荷が集中し、規格外品は安価に取引されるか廃棄されてしまうことも少なくありません。フリーズドライを活用すれば、これらを次のように生まれ変わらせることができます。
- トマトや玉ねぎ → フリーズドライスープの具材
- イチゴや柿 → フルーツチップス、グラノーラ素材
- 茶葉・ハーブ → ハーブティーや調味料パウダー
規格外で「売れなかったもの」が、「付加価値の高い商品」として消費者に届くようになります。
水産物の事例:だしパックから海外輸出まで
水産業でもフリーズドライは有効です。例えば、鮮魚をそのまま冷凍輸送するのはコストがかかり、消費期限も短いですが、フリーズドライ加工を行えば話は変わります。
- 小魚や貝類 → 出汁用フリーズドライパック
- 海藻 → 瞬時に戻るサラダ用素材
- 魚介の味噌汁具材 → 常温保存可能なインスタント食品
さらに海外市場では、日本の「だし文化」や「和食の健康価値」に対するニーズが高まっており、フリーズドライは輸出の強い味方になります。
農林産物・地域資源の事例:健康食品や観光商品に
山間地域では、きのこや山菜といった林産物が地域資源です。これらもフリーズドライ化によって魅力的な商品に。
- しいたけ・舞茸 → 即席みそ汁や鍋用素材
- 山菜 → お湯で簡単に戻せる観光土産
- 地域特産のきのこ粉末 → 健康志向サプリや調味料
これらは地域ブランド化に直結し、観光客向け商品としても人気を集めやすいのが特長です。
消費者ニーズとマッチした広がり
フリーズドライ商品は次のような消費者ニーズと相性抜群です。
- 簡便さ:お湯や水を注ぐだけで食べられる
- 保存性:備蓄食やローリングストックに最適
- ヘルシー志向:添加物を抑えた自然な製品づくりが可能
- ギフト需要:軽くて日持ちするので贈答用にも喜ばれる
6次産業化に取り組む事業者にとって、こうしたトレンドは商品開発の追い風となります。
OEMや共同利用の可能性
フリーズドライ機は中小規模の農家や漁業者にとって大きな投資ですが、共同利用やOEM(加工委託)を活用すれば導入のハードルは下がります。
- 地域の共同加工場でシェア利用
- 加工業者に委託して商品化 → 自社ブランドで販売
これにより「初期投資を抑えつつ商品開発を進める」ことも可能です。
補助金を組み合わせて現実的に
第1回でも触れた通り、フリーズドライ機の導入や商品開発には補助金が活用できます。特に「ものづくり補助金」や「農林水産省の輸出関連補助事業」では、実際にこうした事例が多数生まれています。
リラボでは、補助金申請のサポートに加え、商品アイデアの具体化から販売戦略まで伴走型で支援しています。
👉 第3回では、いよいよ 「フリーズドライ導入を支える補助金と支援スキーム」 を詳しく解説し、実際に導入を考えている事業者様へ向けた具体的なステップをご紹介します。
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